BANさんのレストランで夜遅くまでご馳走を頂き、そして飲んだ。泊めて頂いた翌日は朝早くに出発し、またバンクーバーのフェリー埠頭まで6時間走る。走る。(ちなみに今回の総走行距離は2000キロを越えた)フェリーでバンクーバー島に渡り、キャンベルリバーに向かう。今度は遡上魚狙い。
ここは2.5日の滞在となった。実際一日の釣りの時間は2時間ほどだったけど十分楽しめるだけの魚の数がある。かみさんはクルマで写真を撮りにどこかへ行ってしまう。私は身一つで釣りしている構図。キャンベルリバーで前に見つけたギリシャ料理店のスペアリブ(ギリシャでスペアリブって・・・。)が絶品でそれを食べに行くのが楽しみの一つであった。
しかし7年ぶりにくると少し様相が変わっていた。川のほとりの釣具屋さんにあれだけあったフライ用品がほとんど無くなっていた。店員に聞くと地元のフライマンは少なくてほとんどがビジターとのこと。あとはギアフィッシャー(ルアーマン)とベイトフィッシャー(海釣り)だそうだ。そう釣具屋から川をさんだ向いのモーテルがいつもの常宿だったが、名前が変わっていた。どうやら経営が代わり東洋人がやっているということ。しかし親切でよく働く経営者で忙しそうだった。
そしてこれが最後の釣行でもあった。やはりまだまだ釣りをしていたい。帰りは名残惜しいし、やってみたい釣りもあった。また必ず来なければならぬと心に誓ったのであった。
今回は本当に沢山の友人や親戚に出会うことが出来ました。旅人は通りすがるだけだ。それなのに時間を割いて逢いに来てくれた友人や素晴らしいもてなしを頂いたり、新しい出会いも沢山あった。おかげで素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。心より感謝!石川
またここにやってくることが出来た。川は昔のまま。「何も変わらない川の流れ」という事かな・・。
翌朝スチールヘッドの川に走った。変わらぬ流れと底に揺らめく2匹のスチールヘッドの姿に7年越しの興奮がよみがえる。しかし人里はなれてクーガーやブラックベアーが沢山居るエリア。一人なので細心の注意も必要。ベアスプレーも携帯する。
痩せているけど25インチを超えるスチールヘッド。何度もジャンプして走り回った。時間もないので写真撮る間も惜しんだ。ロッドはC3907LD。始めこの渓流では硬いと思った。が、むしろ丁度良いロッドだった。私のお気に入りのロッド。
このとき水量はミッドウォーターで魚も多くはないけど2時間で3匹を掛け2匹をランド。いずれも25インチオーバー。ばらした魚は目の前でライズしたやつで、幅広のグットコンディション。しばらくやり取りの末、これは獲れると確信した直後、ヒネリジャンプでフックを伸ばして去っていった。フックの外し方をよく知っている。実はトラウト用のウーリーバガーを使ったのが敗因。サーモンフックに巻いておいたボンバーに変えるべきだった・・・。キャッチするということと表層で食わせるということの喜びを二つ失ったような喪失感が・・・。
2日目は早朝にキャンベルリバーのほとりをトレッキングした。沢山の人々がジョギングや散歩をしている。私たちはラッキーだった。丸々と太った森の番人に出会えた。カメラのファインダー越しにこちらに向かって来るのが見えた。「ヤバイ、来る」って思ってベアスプレーのトリガーを外したところ森に消えていった。
夕方は本流でスプリングサーモン(キング)狙い。ロッドはスプリング専用に作った13’6″#10/11のヘビーアクション。750グレインという重いスカジットラインに3.6mのT14をドンと沈めてベタ底にフライを流す。始めて数投で根掛りのようなアタリが来た。掛けたことを後悔するようなファイトが続く。力では勝てないので、うまく誘導してあげるのですね。
30lb位のなかなかの魚でした。この時、子供たちがやって来て、「すげー。でも僕も昨日ここでもっとデカイの釣ったよ」ってルアーを投げ始めたんでポイントを譲った。一匹釣れば十分。疲れてこっちがギブアップです。
釣りは切り上げて夕方はクルマで海岸線を走った。サーフでシルバーを狙うフライフィッシャーを発見して見物。あーこの釣りは面白そうだ。ひたすら引っ張りの釣り。海のサーモンは相当引くそうだ。
翌日は支流に入ってピンクサーモンを釣った。ここでも対岸に熊がいたって、ギアフィッシャーが騒いでいる。手前が人の岸。対岸が熊の岸。僅か数メートルの境界。
私はピンクを甘く見ていた。ロッドはC3908LDでもかなり走られた。リールはこの島で作られているアイランダー。