去年に他界した義父の友人レイに挨拶に行った時の事。義父は病気の悪化とともに認知症の症状が見られ、時折身内や友人にわりと失礼な態度をすることがあって、友人からも敬遠されるなか、レイだけが最後まで義父に辛抱強く付き合ってくれた。義父は金属加工の世界ではスペシャリストでレイもまたスコットランドから来た航空機のエンジニアだった。お互い尊敬しあう間柄だったと言う。うろ覚えだけどボーイング社の747と767を手がけたようだ。年齢も80近いと思うけど現在でも仕事のオファーがありすべて無報酬で請け負っているそう。
義母とかみさんがレイの奥さんとティーを飲んでいると私は地下室に案内され、彼のホビールームを見せてもらった。簡素な英語で言葉を選んで判りやすく説明してくれる。優れた人格者であるというのが直ぐに判る。
その昔は彼も熱狂的なフライフィッシャーで当時の色々な道具を見せてもらった。年代物のホイットレーのボックスに入ったサーモンフライを見せられたが、お前にやるという。貰えないと断ったが、是非お前が持っていろと言うのだ。
その後、激甘のケーキをいただきながら、特級のシングルモルトのウイスキーを頂く。正直、高級すぎてよくわからん。またお会いできるだろうか。今度は私からお返しを持って行こうと思う。石川
おそらく70’あたりのホイットレー。フライも年代を感じる。現在の超絶テクで巻かれた芸術的なフライも美しいけど、クラシックな実戦フライに何故か惹かれる。いくつか使った形跡はあるものの、いわゆるこれも見せフライではある。手前のグリーンドレイク(ドライフライ)はエクステンドボディなのでフッキングを上げるためにフックにヒネリが入る。泣かせる。
これは弟が送ってよこしたフォックスボックスという古くからあるフライボックス。異常に重い。昔はちっとも良いとは思わなかったが、なかなかどうして。スタンダードを入れるボックスとしては右に出るものはないのでは?
湯川さんから譲っていただいたコートランドのボックス。人工芝フォームに昔ちょっとあこがれたが、買わずじまいだった。いやーかっこいい。これはもうメーカーがリアルイミテーションを刺せといっているようなもの。他に水面フォーム、川底フォームなんてあったら面白い。