最近のニュースもどれも暗いものばかりですね。少なくともフライフィッシングは内向きではなく外向きを心がけたいものです。ロッドを持ってまだ見ぬ川を旅しよう。そんな思いから若い(気持ちが・・)情熱フィッシャーに使って欲しいロッドが完成いたしました。いよいよカムパネラよりツーハンドロッド「Summit Two」の発売です。
実は試作を作り始めて随分経つのですが、そもそも自分が2002年頃からカナダのキャンバルリバー周辺で使うために作ったのが始まりです。最初に作って持ち込んだロッドが15ft#10/11。ティップが川に張り出した枝に当たるし、スペイラインで重いティップと重いフライを投げるのも困難でした。そんな折にリオ社から出たスカジットラインが画期的でした。そしてこのスカジットラインに合わせて作ったのが、13ft6in#10/11。これが抜群に使いやすくショートロッドの実用性を痛感しました。そして11ftの方はスイッチロッドです。当時はまだスイッチと言うロッドはなく、セミダブルと言っていました。また、時を同じくしてスカンジナビアンスタイルのシューティングヘッドがヨーロッパから入ってきました。アンダーハンドもオーバーヘッドキャストも爽快に楽しみたいですよね。もちろん直ぐに取り寄せてしばらくはラインの研究でした。
これより長年試作を重ね、今年いよいよ販売に踏み切ったのが、「サミット ツー」と名づけた13ft#8/9と11ft#7/8の2機種です。Summit(サミット)とは頂上や頂点を意味しますが、頂上に登り詰めたロッドと言うことではなく、常に頂上を目指すロッドという気持ちをこめました。Two(ツー)と言うのはTwo-Hand rodのTwo。今回はかなりマニアックなシリーズとなります。販売の構想は随分前から練っていたのですが、第一に海外の一線で活躍するロッドです。カナダに住むエキスパート達の意見も取り入れ、また今後の展開も視野に入れて十分吟味しました。まずは日本でも使用頻度の高い2本としました。
アクションについて13ftはファーストテーパーでありながら50/50の割合でグラスをコンポジットしています。かなり使えるアクションに仕上がっています。本流の大型トラウトから国内で釣れる遡上魚まで対応します。一方11ftはシングル寄りのライトスイッチではありません。海外スタンダードの本格的なスイッチロッドです。30t低レジンのグラファイトを使用しました。軽量で両手を使っての一連の動作は軽快そのものです。湖や本流で本領を発揮します。詳細やgrain windowについてはこちらをご覧ください。石川
まずはこの2本。世界中の様々なシチュエーションに特化したシリーズです。最上級のパーツを使い、時間をかけて作っていくロッドです。アップグリップはEWなどと同等のピュアコルクのみを使用。単価を下げる目的でのバールコルクなどは一切使いません。
職人が相当な時間を掛けて巻かれるフェルール部。派手さはないが、緻密な作業。高度なラッピング技術が必要。
海外での使用を前提に新しくデザインされたCAMPANELLAロゴ。キングサーモンをあしらった。
コルクにコーティングしたのではなく本物のウッドハンドルを造ってしまった。ここだけで2週間は掛かるのだ。トップガイドやストリッピングガイドなどはすべてチタンSICガイド。
ブラックカラーバージョン。サミットシリーズのガイド部のスレッドはすべてダブルラップ。ガイドを止めるスレッドを折り返して二重に巻く。手間はかかるが、ガイドをがっちりと固定することが出来る。
コーデュラロッドケースですが、このモデルには輸送を前提に丈夫なチューブを使用しています。ふたの部分をしっかりカバーすれば輸送に耐える設計です。下手なプラのハードケースよりはるかに丈夫です。